今回は神戸市北区のお客様より、キッチンの蛇口から水もお湯も出なくなってしまったとのご依頼です。
キッチンの蛇口で水などが出なくなってしまうのは、かなり珍しいです。お風呂のサーモスタット水栓などは切り替えカートリッジの不具合で出なくなることはあるのですが、キッチンの場合カートリッジが悪くなると水漏れすることはあっても出なくなることは今までに経験がないですね。2ハンドルの混合栓でも経験がないです。住宅が古く水道管に鉄管が使われている場合、錆で水道管を塞いでしまい出なくなることはあるのですが、水とお湯が同時に起こっているとは考えにくいです。 何が原因なんでしょうか?
蛇口は下げ吐水タイプのシングルレバー混合栓です。20数年前の物になりますね・・・最近ではなかなかこのタイプの蛇口には当たらなくなりましたね。ご存じの方も多いかと思いますが阪神の大震災時に、蛇口に物が落ちてレバーに当たり、水が出っぱなしになったこともあり、それ以降は上げ吐水に変わりました。
お客様に状況を聞きすると「ちょっとづつ水などの出る量が減ってきていた感じがしていたんですが、今日は全く出なくなってしまった」みたいです。
一度レバーを下げてみたのですが、全く出てこないですね・・・こうゆうときは単純に止水栓が閉まっていることもあるので確認してみます。
どうやら止水栓は開栓している状態です・・・何が原因だろうと考えていた時にあることに気付きました。それは止水栓から蛇口に繋がっている銅管です。昔の蛇口は今のようにフレキホースではなく銅管を使用していたのですが、何かクロスしている感じになっています。気になり下から覗き込むと・・・
凄いことになっています・・・給水側と給湯側の銅管がねじれてしまっています。こんな状態の物を見たのも初めてです・・ビックリですね。
このような状態になっているのであれば、勿論水が出ないのは当然です。蛇口を裏側を見ると補強板に水がしみ込んでいるのが分かります。なぜこんな事になってしまったのでしょうか?
よく確認すると蛇口を固定しているナットが緩んでいました。その為、蛇口が動いてしまい今回のようなことになってしまったのかもしれません。ただここまで捻じれるには、かなり蛇口本体を回さないとならないのですが・・・お客様に状況をご説明すると「なぜこんな事になるんですか?」との事なんですが、こっちも知りたいくらいです。お客様も蛇口が回ってしまっている感覚は無かったようです。ただこの状態でよく水漏れしなかったものです。少し間違えれば止水栓との接続部から大量に水が噴き出していたかもしれませんね。
とりあえず原因は分かったのですが、捻じれてしまっている銅管を修復するのは無理ですので、蛇口の交換にて早速作業していきます。
緩んでいる蛇口でしたので撤去は簡単でした。
撤去後、固定金具を取り付け、本体を取り付けていきます。
今回、取り付けた蛇口は【TOTO TKGG31E】です。
個体金具もしっかり締めこんだので動くことはないでしょう。
止水栓との接続後、通水し水漏れがないか確認し作業終了です。
今回はかなりレアなことが原因のトラブルでした。この仕事をしていてつくづく思うのですが、水回りは予想をできないトラブルが結構あります。トラブルの原因が分からないことも少ないですがありますね。今回の場合はあまりに予想していなかった原因でしたのでご紹介させて頂きました。
今回はキッチンの混合水栓交換作業のご紹介でした。