今回は芦屋市西芦屋町のお客様より、トイレのタンクからシューシューと音がするとのご依頼です。
トイレはTOTOの物になり、タンクはSH381BAです。14年ご使用みたいですね。タンクの方に耳を傾けてみたのですが、特に音はしていません。お客様に状況をお聞きすると「排水してからだいぶ時間が経つと音がしてくることが多いが、たまにしないこともあります。」のようです。
排水してから時間が経つと音がしてくるということが、ヒントになりそうですね。とりあえずタンク内を確認していきます。
TOTOのこのタイプのタンクでよくある症状としては手洗管から水が出てこないや、タンクに水が貯まらない、排水できないなどがありますが、これは給水部のダイヤフラムという部品の劣化により10年前後でよく起こります。今回はその症状ではないので、ほかの原因が考えられます。
先程、お客様がおっしゃられてした「だいぶ時間が経つと」との事でしたが、一つ考えつくのが排水部の不具合です。排水ユニットについているパッキンが劣化すると、勿論水漏れを起こします。そうするとタンク内の水が減るのでボールタップが水を貯めようとするのですが、少ししか減っていないのでボールタップの弁が少ししか開かずシューシューといったような音がすることがあります。
今回もそれが原因かもしれないので、排水部のパッキンを確認してみます。
排水ユニットを外してパッキンを確認してみると・・・
表面がざらついているおり、かなり劣化しているようです。このパッキンには材質が2種類あるようなんですが、パッキンの色が黒の場合、溶けて触ると指が黒くなる感じですが、色がグレーの物は溶けてくるというよりは、ボロボロになってくる感じですね。今回のパッキンはグレー色の物でざらついているのは、ボロボロになってきているからです。
今回の原因はやはりこのパッキンが原因のようですね。ほかに気になったものがあるのですが、それがこれです。
タンク内を確認するために取り外した蓋ですが、陶器の物が上蓋でプラスチックの物が中蓋になります。その中蓋の真ん中に黒いスポンジがあるのが分かると思いますが、これは通常陶器の蓋側についているものになるのです。これも大きな水漏れの原因になってしまいます。
手洗管から出てくる水をタンク内に戻すようになっていますが、このスポンジが剥がれて中蓋に空いている穴を塞いでしまうことがあるのです。そうするとタンク内に水が流れなくなってしまい、プラスチックのタンクの外側に流れ出してしまい陶器のタンクの下側から床に水漏れしてしまいます。排水するたびにタンク下から、かなりの量が水漏れするので床が水浸しになってしまっていることがお多いですね。
お客様に今回の原因と他に直しておいた方がいいと所をご説明させて頂き、早速作業していきます。
今回の原因の排水弁パッキンと剥がれたスポンジ部、14年経っているので一緒にダイヤフラムも交換していくことになりました。
交換する材料はこんな感じです。
【TH405S】右レバー用ダイヤフラム、【HH11028S】剥げれたスポンジの交換品、【HH11027】排水弁パッキン2枚セットになります。
まずは排水弁パッキンを交換します・・・古いパッキンを取ったあとユニット側にもこびりついている場合は、そのままにしておくと隙間が出来てしまい水漏れが改善しない可能性があるので、きちんと清掃しておきます。
タンクの下側も確認しましょう・・雑巾などで拭いてあげると取れます。
綺麗な状態になれば、新しいものを取り付けていきます。
次にダイヤフラムです。
こんな感じで取り外します・・・ダイヤフラム取るときにパッキン部が引っ付いて残ることもありますが、手で簡単に取れます。取り除けば、新しいダイヤフラムを取り付け逆の工程をしていけば完了です。ダイヤフラムには大小の突起がありますので、それを合わせて取り付けします。
剥がれたスポンジは取り除き、交換品は中蓋に取り付けるものになっています。
これも両面テープが付いているので、それで取り付けするだけです。
後はすべて元通りに戻して、通水し水漏れや動作確認して終了です。ご自身でされる場合は作業前にしっかり止水し作業してください。よく止水しないまま蓋を取ってしまい水が噴き出してしまっている方も多いので・・・。
今回はトイレタンクの水漏れ修理のご紹介でした。