今回は三田市貴志のお客様より最近トイレの流れが悪いので見てほしいとのご依頼です。
現場は築4~50年位たっていそうなかなり古い住宅で、トイレを確認すると和式のトイレです。築年からするとそうなりますね。最近はなかなか和式のトイレにあたる事も、さすがに少なくなってきました。ご高齢のご夫婦が住んでいらっしゃるので和式は大変かもしれませんね。とりあえずお客様に詳しく状況を聞くと「この一週間位流れる時と流れが悪いときがあった」との事なので、完全に詰まっているわけではなさそうです。こういった場合は屋外の下水が詰まっていることが多く、連続で排水すると排水管内が水でいっぱいになり流れなくなります。ただ時間を置くと溜まっていた排水が少しづつ流れていき排水管内に余裕ができるために流れていきます。今回もそんな感じでしょうか。特に和式のトイレは今の洋式トイレより排水の作りが広いので便器内で詰まりを起こしているとは考えにくいのです。
一度、水を流してみると普通に流れますが、連続して流すと引き込みが弱くなったので、下水に問題があるようです。屋外の排水マスを確認してみると・・・やはり詰まっていました。
ここはトイレだけ単独でそのまま本管に流しているようですが、下流側の排水マスで詰まっています。この感じだと高圧洗浄すれば詰まりは解消するでしょう・・・ただ重要なのが、なんで詰まってしまったかです。この状態のままだとわからないので、高圧洗浄で詰まりを解消していきます。
高圧洗浄を行うと詰まり自体はすぐに解消しました、今回詰まった原因を調査すると排水マスが劣化し排水管との接続部分に穴が空いてしまっています。この部分に汚物やトイレットペーパーが詰まってしまったようです。
解消後、トイレットペーパーを流してみますたが、やはり引っかかってしまいます。ほかにも排水マス自体が劣化により底のコンクリートが削れザラザラになっているので、これも流れを悪くしている原因になります。空いた穴からは排水マスの外へ排水が流れ出すので、周りが空洞化してきます。空洞化すると地震などで地面が陥没する恐れもあります。試しにコンクリートを叩いてみると軽い音がするので、もう空洞化していそうです・・・40年以上たっていることもあり、耐用年数はとっくに過ぎており交換が必要になります。
お客様に状況をご説明し排水マスの交換工事をご提案させて頂くと「そんなことになっているとは思わなかったです...工事の方もお願いします」と、ご了承頂いたので後日施工しました。
まずは排水マスの周りのコンクリートを斫っていくと簡単に壊れていきます。やはり空洞化していました。その分斫っていくのが簡単でした。コンクリートを斫り終わったら、掘り起こしていき既設のコンクリート桝と排水管を一部撤去していきます。
新しい排水マスを設置し、勾配を取りながら排水管を繋いでいきます。
後は砕石や砂を埋め戻していき、コンクリートを打ちなおします。
新しく設置した排水マスは小口径マス(硬質塩化ビニル製)で、今の住宅ではほとんど使われています。水密性や耐久性に優れていて、軽量でコンパクトな塩ビ製宅地マスです。排水管とは塩ビ接着剤により確実に接着接合できるので、侵入水を確実に防ぎ、目地切れなどもないので、木の根が侵入してきたり汚水が漏水することもありません。
施工後、トイレからトイレットペーパーを流し排水の確認をします。綺麗に流れていくようになりました。今後、下水での詰まりの心配はないでしょう。
今回は排水マスの交換工事のご紹介でした。